その日俺達は、失踪したJさん達の同級生五人に、それぞれ話を聞いてきた。

比較的チャラいギャルに言わせれば、「ちょっとワルなやんちゃ坊主」だが。

真面目な女性や男性に言わせれば、「中学生にありがちな問題児」。

中学生には珍しくない、若気の至りなのかもしれないが、それでも問題児には変わりない。

しかも。

五人中三人が、教えてくれた。

この四人は、中学時代、クラスメイトの一人をいじめて遊んでいたらしい。

当該生徒の身体的特徴を、しつこくからかったり。

その子を変なあだ名で呼んだり。

皆の前で辱しめるようなことを言ったり。

持ち物への落書きや、軽く小突いたりもしていたとか。

さすがに、万引きしてこいとか、お金カツアゲとかはしてなかったようだが。

それでも、いじめであることに変わりはない。

実に最低な奴らだ。

そして、気になることはもう一つ。

同級生達が口を揃えて言うには、彼らは、五人組だった。

失踪した四人に加え、もう一人…Mさんという人がいたそうだ。

その人は、失踪者リストに名前が載ってない。

つまり、まだ失踪していないのだ。

「限りなく怪しいな。このMさんって人」

「まぁ無関係ではないでしょうねー。犯人なのか、それともこれから五人目の失踪者になるのか…」

本当なら、今すぐにでもこのMさんという人の連絡先を調べて、会いに行きたいところだが…。

「今日はもう遅い。明日にしよう」

「そうそう。今日は寝ましょう。お休み」

「あ、おい」

「…zzz…」

…はっえぇ…。

どうやったらそんな数秒で寝られんの?

「はー…」

それにしても…。いじめ…か。

なんか…雲行き怪しくなってきたなぁ…。