そして、翌日。

失踪した四人の同級生に、片っ端から会いに行った。

いきなりの申し出だった為、捜査に協力してくれたのは僅かだったが…。

この同級生達からは、元担任先生よりよっぽど良い話が聞けた。

人によって、あの四人の評価は様々だった。







最初に話を聞いた女性は。

「あぁ、あの人達ね」

派手なマニキュア、金色に染めた髪、ややケバい香水の香りをぷんぷんと漂わせながら。

懐かしそうに、かつての同級生達について語ってくれた。

「あの五人はねぇ、本当にやんちゃで…。クラスでもムードメーカーだったわよ」

…五人?

「やんちゃ…ですか」

「そうそう。結構無茶やってたわよ」

無茶…ねぇ。

「例えば?」

「例えば?そうだな…。クラスメイトと示し合わせて授業ボイコットしたり、いきなり髪を真っ赤に染めてきたり…。もう何でもアリよ。凄いでしょ」

…ふーん。

何が凄いのかは知らんけど。

彼女は、まるで武勇伝のようにあれこれ語っていた。

懐かしい思い出話に浸って。

彼女にとっては、それも良い思い出だったらしい。




次に、二人目の女性に聞いてみると。

「あぁ…。J君達?懐かしい…。彼らはねぇ…本当…」

二人目に話を聞いた女性は、Jさん達の名前を聞いてこの反応。

あぁ~あいつらねぇ…みたいな。

何だ。その微妙な言い方。

「どんな人達でした?」

「元気だし、明るい人達だったのは事実よ。五人でよくつるんでたわ」

…五人?

「それに、悪さばっかりやってたわ。大抵のクラスメイトは、彼らに振り回されてたわよ」

「悪さ…万引きとか?」

「あぁ、ごめんなさい。言い方が悪かったわ。補導されるようなことまではしてないのよ。でも授業中に騒いで、授業成り立たないことがあったり…。気の弱い先生をからかって泣かせたりしてね…」

あー。いるいるそういう馬鹿。

マジ迷惑な奴。

「やんちゃと言えば聞こえは良いけど、先生達にとっては手のかかる生徒だったと思うわ」

「そうですか…」

二人目は、こんな感じ。




で、三人目に話を聞いた男性は。

「四人が失踪した件について、何か思い当たる節は?」

「そうだな…。それは分からないけど…」

「じゃあ、四人が誰かに恨みを買ってるとかは?」

「恨み…。あいつら、学生のノリで、派手なこともやってたからなぁ…。子供のやってることだし、皆笑って許してはいると思うけど…」

悪さしてたとはいえ、中学生と言えばそういう時期だもんね。

程度に差こそあれ、悪さするのは珍しくない。

程度に差はあるけどな。

「そうだなぁ…。あの人は…彼は恨んでるだろうね。相当酷いことされてたし…」

「…あの人?」

「あぁ…。あの人は…」

三人目の彼の話は、非常に有益であった。