三人の出身中学は、寂れた住宅街にあった。

学校の事務室に顔を出すと、事務員は明らかに俺達を訝しみ、不審者だと思われていたようだが。

聖魔騎士団の魔導部隊なんですけどね、とエンブレムを見せると、顔色が変わった。

突然へこへこし始めた事務員に事情を話し、三人に関する資料…彼らがいた学年の名簿とか、三人の成績表とか…を、特別に見せてもらった。

悪いね。







「あ、見てキュレムさん。この人成績ひっく。数学なんかゴミですね」

「やめろ」

そういうことの為に見てる訳じゃないから。

本人がいない間に成績表を盗み見られるなんて、悪夢だろうなぁ。

申し訳ない。

「真面目に捜査しろ、真面目に」

「真面目に見てますよ。成績表を見る限り、三人共アホです」

身も蓋もない。

成績は三人共同じくらい、って言えよ。

まぁ…成績はあまり良い方ではなかった、ということで。

「で、名簿の方はどうです?何か良いもの見つけましたか」

「うん。この三人が、二年間同じクラスだったってことと…」

「ことと?」

「今さっき、Lさんの名前も見つけた」

俺は、名簿の名前を指差した。

出身校、Lさんだけ違う学校だったのに。

何故かLさんの名前が、名簿に記載されていた。

「同姓同名…ってことはないですよね」

写真ついてねぇから分からん。

「まぁここまで共通点がある以上、この人が行方不明になったLさんなんだろうけど…」

四人共同じ中学校で、同じクラスだった四人が相次いで失踪した。

もー事件の匂いしかしねぇよ。

「…この担任、今もいるかな?」

出来れば、このクラスの担任と話がしたい。

「さすがにもう残ってないでしょう」

うーん…。卒業して十五年近くたってる訳だからね。

さすがに残ってないか。

「…じゃ、探すか」

「はー。面倒くさっ…」

「文句言うな」

こっちだってやる気なくすんだよ。本当に。