ローストビーフ重を楽しんだ後。

その日は、シュニィが用意してくれたホテルに泊まった。

「は~お風呂気持ち良かった」

「…」

「キュレムさんも、お風呂入ってきたらどうです?」

「…」

…ぐび、とフルーツ牛乳を飲むルイーシュ。

このマイペースぶりよ。

お前仕事しに来たの分かってる?

風呂なんて後だ、後。

そんなものより。

「ルイーシュ…。明日は、まず失踪した四人の経歴を調べて…」

「さ~て寝ますか。お休みなさい」

「はっや!ちょっと待てよ、まだ八時、」

「…zzz…」

「はっや!三秒たってないぞ今」

どうやったらそんな一瞬で寝られるんだ。

狸寝入りかと思ったら、ルイーシュは本当に寝ていた。

爆睡だった。

「…」

起こしてやろうかと思ったが、起こさなかった。

絶対起きる気ないだろうし。

ルイーシュは一度寝たら、冬眠したように寝込んでしまって、揺すったくらいじゃまず起きない。

昔、色々試したことがある。

ベッドから突き落としたり、フライパンガンガン鳴らしたり、耳元ゼロ距離で目覚まし時計の音聞かせたり。

でも、どれも駄目だった。

むしろ、俺が死にかけた。

というのも、寝ていても何やら煩わしいのは分かったのか、寝惚けながら魔法を使ってきた。

室内なのに巨大な炎魔法を使い始めて、危うく燃えかけた。

あれ以来、もう起こすのやめた。

寝ておけば良いよ。朝になって満足したら起きるしさ。

ただし寝相はあまり良くない。

「あーあ…。また腹出して…」

早速毛布蹴っ飛ばしてるルイーシュに、俺は毛布を直してやった。

別に放っておいても良いのだけど、明日風邪引かれたら仕事出来ないし。

何で俺がこいつのお世話係せにゃならんのだろうな?

何とかしてくれよ本当。