イーニシュフェルト魔導学院が。

シルナが、その命と人生を懸けて築き上げた学院が。

…今日で、終わり。

「とりあえず、授業を中断して、生徒を寮に帰してもらおうか。それから閉校の手続きを…」

「…」

「…聞こえてますか?」

担当官は、小馬鹿にしたように聞いた。

…何がそんなに…嬉しいのか知らないが。

「…あんまり調子に乗るなよ」

「…はぁ…?」

負け惜しみに聞こえたのか、担当官はせせら笑っていたが。

…本気で言ってるんだ。

あんたは、この学院を何処まで知っているのか知らないが。

それどころか、俺でさえ全てを知っている訳じゃないが。

…でも。

「…死にたくないなら、近づかない方が良い場所があるんだよ」

心からの忠告であったにも関わらず。

担当官は、つまらなさそうに一瞥しただけだった。

学院が閉鎖なんて、絶対に許せる訳がない。

しかし、警察の命令とあらば、逆らえば捕まってしまう。

ひとまずは、授業を中止するしかなかった。