よし。

「…さて、吐月君。準備するに当たって、ちょっと頼みがあるんだけど良いかな?」

「頼み…?何ですか?」

「大したことじゃないんだけど、ちょっとね」

どうしてもこの準備をしておかないと。

準備しても無理な可能性はあるが。

「…あぁそうだ、お前、警察に疑われてるから気を付けた方が良いよ」

ふと思い出したように、羽久が言った。

そうだった。それも忠告してあげないと。

「疑われてる…?事件の犯人だって?」

「そう。警察の捜査資料に、名前が乗ってた。参考人の一人になってる」

「…上手くやってたつもりだったんですけど…」

「まぁ、警察に捕まる前に俺達が戻ってくるだろうから、それほど気にするな」

「…はい」

私達が、次戻ってきたら。

そのときが、彼の苦しみの終わりだ。

そうしなければならない。何としても。