「ねー、吉川さんってさーあの飛竜さんと付き合ってるの?」
私があの飛竜によびだされてからこの話で持ちきりだ。

「違うよ。」
もう何回目かもわからない違うよを発した。

あの人はよくモテる。

謎に顔面強くて、背が高くて、そんなにゴツゴツした感じはないのに喧嘩が強い。

そんなところが理由だろう。

誰一人として中身を見ようとしない。

外見、地位に囚われている。

まあ、私もだけれど。

「ねー、吉川さん。
放課後、第三教室来て欲しいんだけど。いいかな?」
絶対やばいやつだ。

最悪。巻き込まれた。

「あの。」

「話したいことあってさ。お願い!」

断れないのが私の悪いところかもしれない。

「いい、です。」

「ありがと!」

絶対やばい。

でも、茉奈に心配かけるわけにはいかないから言わなかった。後悔している。