「俺は、仲間が1番大切だ。
俺は家族なんて、いないも同然。
おかんは男作って夜逃げしたし。おやじも、同じようなことを繰り返す。たまに帰ってきて、俺のバイト代さらってくんだ。1人っ子だしな俺。兄弟なんかいないし。
だから俺にとって1番なんだよ。」

初めて聞いた、翔先輩のプライベート。

そういや、殆ど知らなかったな。

翔先輩のこと。

「なぁ、約束。してくれないか?」

「なにを?」

「もう、何も言わずに消えたりしないで。俺、ほんとに不安で、。みんなもな、不安そうな顔してた。」

やっぱり私は自分ばっかりだなぁ。

いなくなったら困るってわかってたけど、わかってたけど、どうしても続けられなかったの。

自分が、弱かったから。

「ほんと、ごめん。」

涙でいっぱいの目で見つめながら、言った。

翔先輩も泣き出した。
あの強い先輩がまさか泣くなんて思ってもいなくて、
でも私のことで泣いてくれるのが嬉しくて、
そんなに私を思ってるのかと思うとちょっと面白くて、泣きながら笑っていた。

人生で1番幸せな夜を過ごした。

「おはようございますー」

私は隠すこともないので、金髪ボブ、ミニスカ、イヤーカフスをして教室に入った。

いくら、ヤクザばかりがいるとはいえ、ヤクザに入っていない人も中にはいる。

知らなかったんだろうな。

「えー〜ーーー!?」

教室から悲鳴が上がって、それからはもうぐちゃぐちゃで。

悲鳴を不審者と勘違いした先生が吹っ飛んできて、金髪の私をみて、発狂。

その声に他の先生も集まってもうぐちゃぐちゃw。

騒ぎが静まって、1時間目が始まった。

ピーンポーンパーンポーン。
最近忙しかったからか久しぶりに静かな授業だった。てゆか、血戦で疲れたみんなが寝てたからなんだけども。

ガッコーン

誰かが扉を蹴り飛ばしたみたい。

なんか前にもあったような、、。

「おはよ、はる」

前は、は?と思ったけど、今はそれすら愛おしい。

私も今までで1番の笑顔で言った。

「おはよう、翔先輩。」

これからも今までで1番を更新し続けるつもりです。

「また壊しやがって。よしのぉー!」
「すんませぇーん!」

ほんと何してんだかw

「ほんとごめん。」

涙でぼろぼろになって言った彼女を見て、俺は思った。

もう、いなくならないで。

絶対帰ってきてよ。

おかえりって言わせてよ。
君にもう一度。


君にもう一度
End.