森にも小さな生き物がいて、フワフワな毛並みと触れ合うのが好きだった。

 だけど狼は初めてだ。

 森にはそこまでの大きな動物はいなかったのだ。


 「……ッ」


 夢中になって触っていると突然、トーガがアタシの手首を掴んで止めた。


 「ん?」

 「触り方エロいんだよ」


 どうしたのかと思い首を傾げるアタシにトーガは吐息混じりの声で囁いた。


 「………え?」

 「もういいだろ」


 心なしか少し頬を赤らめたトーガはプイッと顔を背けた。


 「トーガ顔赤くねえか?」

 「うっせえ」


 ディランの問い掛けにもトーガはやはり顔を背けた。


 そういえばと思いアタシはディランとルディに視線を向ける。

 二人にはトーガのような目立っている特徴はないのだ。見た目はアタシと何ら変わりはない。