だからそんな人たちに会うのは初めてのことですっかりトーガを凝視していた。
「あれ、知らねえ?」
「うん」
「ああ、お前″はずれの森″にいたもんな。森から出たことねえか?」
「ない」
「そうか。じゃあ悪魔と天使しか知らねえだろ?」
無言でうなずくと彼は窓の近くにあった椅子をベッドの近くに持ってきてそれに座る。
「魔界と天界の二つの世界があるのはわかるよな?それと人間界」
親から聞いたことがある話だが、その程度の話しか聞いたことがない。
「″はずれの森″ってのは天界と魔界の狭間にあるんだよ」
「狭間?」
「二つの空間の境目にあるんだ。其処にいたら見つけることは不可能に近い。だからお前の親は其処に隠れることにしたんだよ」