名前をまた呟いて頭に叩き込むアタシを見ながらルディは得意げにアタシの名前を呼んだ。その表情はどこか仔犬を思わせて可愛らしい。
「そこにいる目つきの悪い奴はディラン」
ルディに言われ目を向けると、先程枢ユイトを思い出させた瞳をした赤髪の青年がいた。
ドクンッと脈打ったのは恐怖からだろう。
「目つき悪いってなんだよ」
不貞腐れ気味なディランはズカズカとアタシに近づくと、
「ヒカリよろしくな」
顔をグイッっと近づけてくるからものだから反射的に後ずさってしまう。
近すぎる…ッ。
「ほら、目つき悪いから怖がってる。ディラン無遠慮すぎ」
ルディがディランを諌めると、
「ちぇっ、なんだよ」
ディランは口を尖らせてわかりやすく拗ねた。