でもそんな姿を晒すよりも、ただ、怖かった。
脳裏に浮かぶ奴等の顔が。冷酷な瞳でアタシを見つめて来た彼等が怖くてたまらない。
この人達は誰なんだろう?
彼等も天使なのだろうか?
アタシを殺すために此処に連れてきた?
だったら、殺す気ならどうしてあの時あそこにいた人は殺してくれなかったのだろう。
あの時殺してくれたら今こんなにも怖い思いをすることはなかったのに。それとも狙いは殺すことじゃなく別にあるのかもしれない。
そう、二人が言っていたように、この血を使うことなのかもしれない。そう考えたら震えはさらに酷くなって、逃げないとと思うのに体は動くことを忘れたように指一歩すら動かせないでいた。