はぁはぁ、と息切れをしながらその汗を拭う。
ヒノカはひどく体力を消耗していた。ヒカリを魔界に送る術式はかなりの力を有するのだ。それに加え心身的にも穏やかではいられない。
しかし、だからといってここでやられるわけにはいかない。
あの子を守らなければ。
ヒノカは前を見据える。
狙うのはカイナだけ。
そして猫のように体を低くして走りだした。
それを見たカイナは腰からスラリとした剣を抜き出す。ヒノカが目前まで来るとその剣を横に振るがヒノカはそれを軽やかに上に飛んでかわした。
上に飛ぶとヒノカは右手を上に掲げ、
「轟け!雷雲!」
そう唱えると右手がバチバチと雷を収束させた。
太陽と被さりヒノカの体は逆光となり、カイナは目を細めた
その一瞬が攻撃のチャンスとなり、
「はあッ!!」
右手を振りおろすと、雷は一直線にカイナの元へ降り注いだ。