「……お前は許さない!」
我が子を利用して、挙句には魔界を乗っ取ろうだなんて。そんなことをさせる前に私がお前を殺す。
憎悪の瞳を向けられたカイナは口元を歪める。
「君も愚息と同じ所に埋めてやろう」
カイナは、向かってくるヒノカを捕らえようとする威勢のいい天使達を下がらせる。あくまで自分ひとりで大丈夫だと。
「うあぁッ!!」
短剣をカイナへと突き出すがそんな単純な攻撃はあっさりと躱されて細い腕がカイナに掴まれた。
「ッ!!」
しまったとは思ったが既に遅くヒノカの体は地面に強く叩きつけられていた。しかし、ヒノカはすぐに態勢を整える。
ちっ、と舌打ちをしながらカイナから距離を取りながら力を溢れさせ己の爪を変化させた。猫のように鋭く伸びた爪はバチバチと雷を帯びる。
ヒノカの金髪が綺麗に靡く。その靡いた髪の下、額には汗が滴り落ちた。