アタシが今どんな思いをしているかわかっていて、そんな風に笑うのだ。


 「あなたを魔界に送るわ」

 「…っ、やだ……!」

 「あなたの行くところはね、私とルカが出会った場所なのよ」


 アタシの言葉を無視して笑う母に、もう何を言っても無駄なんだと思い知らされた 。


 抵抗してもきっと無駄。

 溢れていく光に愕然とする。



 「ヒカリ、大好きよ」



 ……アタシも大好き。


 泣きじゃくりながら精一杯吐き出したアタシに母は場違いにも吹き出して可笑しそうに笑う。



 肩を震わせて笑う母の声を聞きながら、アタシは真っ白になっていく視界に目をゆっくりと閉じた。