見つかったらアタシはどうなるのだろう。


 天界の人たちはアタシをどうするつもりなんだろう。父の言う通り利用され、痛い思いや怖い思いをするのだろうか。


 もう、二人とは一緒にいられないの?


 「魔界へ行こう」


 渦巻く焦りと不安を払拭するように力強い言葉が降ってくる。

 決断していたであろう言葉を告げる父に続くように母が言う。


 「魔界には私の友人がいるの。きっと力になってくれるわ」


 母は優しく宥めるように笑みを浮かべた。


 だけど頭が混乱したままだ。


 魔界に行くということは此処を出るということ。


 生まれてから今まで過ごしてきたこの場所を離れる……。