焦燥感が表れるその言葉を繰り返すと父は一つ頷き口を開く。


 「見つかればお前は奴等に利用されてしまう」

 「利用…って?」

 「天使と悪魔の力は強大だ。その二つの力を持ったお前がどうされるか目に見えている。実験台にされ利用され、最後には死だ」


 父の声は冷たいその声で淡々と放たれる言葉にアタシの顔は蒼白になっていった。

 震える体に気付いた母がアタシを抱き締める。


 「ごめんね…ッ」

 「アタシ死ぬの……?」


 小さく問いかけ、母と父を縋るように見上げる。

 父が至極憤りを見せるからその顔に不安が募る。


 「お前は俺達の大切な娘だ。絶対に死なせない」


 苦々しそうに吐き捨てる父の姿に不安は拭いきれない。