「お前は俺たちの血をどちらも濃く受け継いできた」


 父はまた申し訳なさそうな瞳をした。いつも見てきたアタシに謝罪する瞳に見つめられると居心地が悪い。


 別にそんなこと思う必要ないのに。


 「だからお前は隠さなきゃいけない。生きるために」



 生きるために、か。

 此処に自分は確かに存在してるのにこの世界には居ない。


 なんて哀しいんだろう。


 世界に認められない存在なんて存在してると言えるんだろうか?


 でも、それでも。そう思うと同時に、二人と過ごせるこの生活に嫌気が差すわけではない。存在を世界に認められなくとも二人がアタシを見てくれるならそれでいい。


 「本題はここからだ」


 父の強い言葉にハッと我に返ると、真っ直ぐな双眸がアタシを見つめる。


 「お父さん達がいる"はずれの森"が天界の奴等に見つかった」

 「見つかった……?」