sideシェリエ

好きだ、と言われてしまった。
でも、どういう意味の好きなのかしら?

ライク…
ラブ…

うーん、分からないわ。
もしかしたら友達として好き、かもしれないものね。
だとしたら、私の返事はあれで良かったのかしら?

友達としてなら、私も好きだわ。

でも、もしも、その、恋人としての好き、なら?

私には、好きです、と返事をする勇気はなかった。

しかし、考えても分からないので、一旦それは置いておく事にした。

そして、王都やダンジョンの事件に考えを巡らせた。

王都やダンジョンでの行方不明者の共通点はC型の血液の持ち主だということ…

つまり?

犯人は血に着目しているという事よね…?

ならば?

犯人の目的は《《血》》?

だとして、何に使うのかしら?

輸血?
飲む?
浴びるとか?

うーん、わからないわ。
まさか、犯人はヴァンパイア!?

それなら、なぜ、A型の血は要らないの?

美味しいのかしら、C型の血って…

いけない!
ヴァンパイアだなんて、安直過ぎるわ!

この事件にはもっと大きな黒幕が居る。

そんな気がしてならない…

♦︎

夕飯がちょうど出来上がった頃に、ロロドロア様が帰って来られた。

「シ、シ、シェリエ…」

「おかえりなさい!
ロロドロア様!
私ずっと考えてましたのよ!」

「えっ!?
そうか!
じゃあ、気が変わって…?」

「え?
気が変わる?
何のことですの?

王都の事件の事ですわ!」

私は目を輝かせて言った。

「あぁ、そのことか…」

どうでも良さそうに答えるロロドロア様。

何なの、この人!
一応魔導士団・副団長だというのに!
事件にもう関心が無いのかしら!?

と、思いながらも私はある事を提案した。