sideロロドロア

俺は重たい腰を上げ、魔導士団の制服を正して、本城の王の間の前に向かった。

王の間の前には、すでに魔導士団・団長のゼンスさん、騎士団・団長のザイレイさん、そして、騎士団・副団長で俺の悪友でもあるキリアヌスが居た。

「来たか、ロロド。」

ゼンスさんが声をかけるので、俺は一礼した。

「遅くなって申し訳ありません。」

「まぁ、とにかく入ろう。
皇帝陛下にご安心していただかなくては。」

ザイレイさんが言う。

「はい。」

そう言って、俺たち4人は王の間に入った。

「ゼンス、ロロドロア、ザイレイ、キリアヌスよ。
今回の王都での行方不明者の件はもう聞き及んでおる。
そなたらの意見を聞きたい。
王都まで誘拐犯が出たとあれば、国家の威信に関わる問題である。」

皇帝陛下がおっしゃる。

「はっ!
騎士団を代表して申し上げます!
今後二度とこのような事が無いようにパトロールを強化、そして、犯人検挙に全力を尽くします。」

ザイレイさんが言う。

「右に同じでございます。」

キリアヌスが言う。

「魔導士団を代表して申し上げます。
こちらも、王都やその他の街のパトロールに全力を尽くし、一日も早く犯人を検挙することお約束します。」

ゼンスさんだ。

「…………」

俺は黙っている。

「ロロドロア、そなたは何も言わぬが、どうなのだ?」

皇帝陛下がおっしゃる。

「…恐れ多くも申し上げます。
今回の事件……」

俺は行方不明者が共通してC型の血液型である事を、皇帝陛下、そして、団長達に説明した。

「つまり、今回の一連の事件、愉快犯でも無差別でもなく、《《明確な目的》》がある、とそう申したいのだな、ロロドロアよ?」

皇帝陛下がおっしゃる。

「ご明察恐れ入ります。
おっしゃる通りでございます。」

「引き続き、各々犯人確保に全力を尽くすのだ。
王都では…
決してこのような事件があってはならぬ…!」

そして、俺たちは王の間から退出した。