sideシェリエ

あまりにも酷い言いようだった。

私が、いつ!?何時!?何分!?彼の部下をたらし込んだと言うのだろう?
酷い言いがかりだ。

ふん。
もう、夕食も作ってあげないし、洗濯も掃除もしてあげないんだから!

私はかなり怒って居た。

しかし、ふと、冷静になると…

なぜ、こうなったのだろう?
と、思う。

ロロドロア様は私に口づけ、愛の言葉を囁いた。
それを私が偽りの言葉だと決めつけた。

そう、ことの発端はそれだ。

そして、謝りに行ったはずである。

あぁ…
なんという事だろうか…?

そう思い、ぐるぐると考え、思い悩んで時間を過ごすと、ロロドロア様が帰って来られた。

「ロロドロア様…!」

「シェリエ…!」

「「ごめんなさい!/悪かった!」」

私たちは顔を見るなり謝り合った。

「え…?」

「は…?」

2人ともに鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。

そして、笑い合った。

「私…
あんな事を言うつもりじゃありませんでしたの。
ただ、き、き、キスなんて…
その、はじ、はじめてで…」

「そうか…
そんな光栄なシチュエーションで、いきなりして悪かった。
俺も…
君が部下をたらし込んだとは思って居ない。
ただ、なんだか部下と仲良くしてる君を見てカッとなったんだ…」

「私たち…
行き違ってましたのね…」

「そのようだな。」

「で、では、これで仲直り…ですの?」

「あぁ。
そうしよう。」

ロロドロア様は笑顔でそう言った。

「でも、俺は口説き慣れてる訳じゃないぞ。
それじゃ、誰でも口説くみたいじゃないか。」

「あら、私だって尻軽じゃありませんことよ。
それじゃ、誰にでもついて行くみたいじゃありませんの!」

「最初に言ったのは君だぞ!」

「あら、先も後もありまして!?
私の方が傷ついたわ!」

私たちは廊下を左右に分かれ、それぞれ自室に向かった。

仲直りの道は険しそうだ…