sideロロドロア

なんっっって女だ!!!(怒

人が勇気を振り絞ってキスしたら、やり慣れているのか?と聞いてきた!!!

なんという言い草だ!

俺が色情魔みたいじゃあないか!

この俺の純粋な気持ちを!!!(怒(怒(怒

俺は冷気をかなり苦労して抑えた。
こっちが魔沸点に達しそうだった。

屋敷に着いても彼女の顔すら見ずに、自室に篭った。

2度とするか!!!

そうは思ったものの、ほんの少しだけ触れた彼女の唇はやはりなめらかで、同じくらい柔らかだった。
もしも、彼女がはにかみ、俺に笑顔を向けてくれて居たならば…

俺は彼女の唇を貪っていたに違いない。

だが、彼女は俺の純粋な気持ちを打ち砕いた。

なんだと言うんだ?

そんなに変な言葉を言ったか?

ダンジョンで少しずつ距離が近づいたと思った。
でも、そう思っていたのは俺だけだった。

俺はかなり腹を立てていて…

そして、その時はまだ、なぜそんなに腹が立つのかすら分かっていなかった。

俺はそのままふて寝したさ…

♦︎

翌朝、彼女と会わないように魔導士団本部に向かった。
本部というのは、一応皇帝陛下の城であるエドヴァ城の城塞の中にあった。
支部は国内に15軒ほどある。
主に各町に設置され、町の治安を守って居た。

「茶がぬるいぞ!
もっと、グツグツしたのを持ってこい!!!(怒」

俺は魔導士団の団員にキレる。

茶がぬるいのに怒っている訳では無いが、まぁ、とにかく八つ当たりである。

「おい、ロロドよ。
朝から怒鳴り声を城に響かせるなよ。」

ゼンスさんがやってきてソファに座る。

「何のご用ですか。」

「はぁ〜…
奥方と喧嘩でもしたか…?」

「何のご用でしょうか!?」

「なんだ、図星か。
用は昨日の魔の森リザンヌの調査についてだろ。
怒鳴らずに報告してくれ。」

「…冒険者が攫われたとされる箇所の空間には転移魔法の痕跡がありました。
残念ながら、痕跡を追うことはできませんでしたが…」

俺は務めて冷静に言う。

「なぜ追えない?」

「おそらくとても長い距離の転移魔法です。
それに、向こうから転移経路を切ってありました。」

「なるほど…
他に何かなかったか?」

ゼンスさんは言う。
他にと言われても…

「…攫われた冒険者に何か共通点は無いのでしょうか?」

あの女の意見を言うのはかなり癪だが、一応言ってみた。

「共通点…?
いや、今のところは無いが…
何か引っかかる点でもあるのか?」

「いえ、無いなら良いんです。」