「あぁ、肉じゃがを作ったのでございますよ…!」

「肉ジャガー…?
はて、聞いたことも無い食べ物だが…」

「そうだ!
少し食べてはみませんか!?」

私は言って、キッチンに向かった。
ガイコツ王子も付いてくる。

私はサッと肉じゃがを温めて皿によそうと、ガイコツ王子に差し出した。

「俺は少食だし、口に合わないとリバースするのだが…」

「少しだけでも食べてみてください。
食べないと治る物も治りませんよ?」

「ふむ、まぁ、一口だけなら…」

そして、ガイコツ王子は肉じゃがの肉とじゃがいもをパクリた食べた。
私の肉じゃがは糸こんにゃくも入っている奴だ。

「こ、こ、これは…!」

「これは?」

「美味い!
こんなに美味しい肉とじゃがいもを食べたのは生まれて初めてだ。
なんという出汁の味!
出汁が肉とじゃがいもに染み込んで、このハーモニー!

美味い、美味いぞぉぉぉぉお!」

ガイコツ王子はばくばくと肉じゃがを食べ始める。

そして、遂に完食してしまった。

「うむ。
美味であった。
悪い、俺は少し眠くなったので、これで失礼する。」

そう言ってガイコツ王子は去っていった。

うーん、これで良かったのだろうか?

まっ、いっか。

ガイコツ王子も喜んで食べていたし…
私に罪は無いだろう。

そして、私も緊張から解かれて眠りについた。

♦︎♦︎♦︎

翌日。

起きると、ナタリー達が部屋の掃除をしていた。

どうも、ずいぶん寝ていたようである。

私はスキル『冷蔵庫』を発動し、食パンと卵などを取り出してフレンチトーストを作った。
最後に冷凍庫からアイスクリームを上に盛り、生クリームをかけて出来上がりだ。

フレンチトーストに生クリームとアイスクリームが絡みつき、はちみつで超甘々になり、まさに朝ごはんにふさわしい。

この世界にもフレンチトーストはあるのだが、アイスクリームた生クリームを乗せて食べるといえ概念は無い。

「うわぁ、美味しそうです…」

セスナが言うので、みんなの分も作ってあげた。

「はぁぁぁ…
最初は料理するご令嬢なんて…と正直思ってましたけど、これは絶品ですわね。」

ナタリーが言う。

「甘い物大好きですぅー!」

ポーラが涙を浮かべて食べる。

その頃の侍女と言えば安月給で働かされており、ろくなスイーツも買えないはずであった。

「たくさん食べてね!
あ、はちみつ足りる?」

私はみんなをおもてなしする。

「そういえば…
昨日の初夜は…」

ナタリーがフレンチトーストを飲み込みながら、尋ねた。

「うーん、どうかしら?
あんまり気に入られ無かったんじゃ無いかしら?」

私は言う。