私はローズリート様を放置してシャルナーク様を探した。
後宮のホールにも、廊下にも…居ない…

では、一体どこへ?

私は諦めかけて何となく庭に出た。

すると、そこには大岩に寂しそうに腰掛けるシャルナーク様の姿が…

私はそっと彼に近づいて背後から抱きしめた。

「エ…レナ…?」

「シャルナーク様…
そのまま聞いてくださいね…?

シャルナーク様が1番かっこいいですわ。
会えなくて、とっても寂しかったんですの。」

私はシャルナーク様の大きな背中を抱きしめたままそう言った。

「エレナ…」

シャルナーク様はそれ以上何も言わずに私の手を握りしめた。

そうして、しばらくそのまま抱きしめあった。

何とか仲直りした私たちはケーキとシャンパンを食べるべく部屋に戻った。

「しかし、ケーキはもうぐちゃぐちゃだろう…?」

「あら、私のスキルで何とかなりましてよ?」

私はニッコリ笑って言う。

私は崩れたケーキをスキル・冷蔵庫を発動し、冷蔵庫の中に入れて、ドアを閉めた。
シャンパンも同様に冷蔵庫の中に入れる。

しばらくして冷蔵庫のドアを開けると、そこには、綺麗なケーキと炭酸の入ったシャンパンが…

「すごいな、エレナ!
そなたの能力は!」

シャルナーク様が拍手する。

「一緒に食べましょう?」

「あぁ…」

「もうローズリート様は部屋には入れませんわ。」

「そうか…
ありがとう、エレナ。」

「いいえ、私はシャルナーク様の奥さんですもの!」

「ん?
エレナほっぺに生クリームが付いているぞ?」

「え?
どこですか?」

「じっとして…」

そうシャルナーク様は言うと、素早く私の頬にキスをした。

「も、もう!
生クリームなんて、嘘じゃ無いですの…っ…!」

「騙される方が悪いのだ。」

シャルナーク様は眩しい笑顔で笑う。

♦︎♦︎♦︎

そした、挙式の日が近づいてきていた。

私はウェディングドレス選びや、ケーキの打ち合わせに大忙し。
シャルナーク様も出席者の招待や調整に大忙しで、また、会えない日々が続いた。

しかし、結婚式が終われば…

ずっとシャルナーク様と一緒に居られる。

そう思って私は頑張った。

私は百合の花をモチーフにした純白のウェディングドレスを選んだ。

♦︎♦︎♦︎

結婚式当日。

たくさんの来賓があった。
それは、公爵家から伯爵家、男爵家や騎士階級まで広く呼ばれた。
私の両親は欠席との事だったが、それすらどうでも良かった。
私はザルトハック様のエスコートでバージンロードを歩いた。

そして、たくさんの人に祝福されながら、誓いの言葉を言い合い…

誓いのキスをした。

そうして、結婚式は無事に終わり、私は正式にシャルナーク様の妻となった。

そして、2人は末長く幸せに暮らしましたとさ。

おしまい♡