「おぉ、これは…!?
レタスがシャキシャキで美味い!
この粒々のは何だ?」

ガイコツ王子が尋ねる。

「それは、《《お米》》という食べ物にございますよ。
異界では、それを主食にする場所もあるとか、無いとか…」

「異界?

そなたはたまに不思議な事を言い出すな。
異界の事など誰も分からぬだろうに。」

「そ、そ、それで!
亡くなったセリーナ様ですが…
第3王子ローズリート様の惻妃様であったのですよね?」

「そうだ。
ローズリートは俺たち兄弟の中でも女に手が早いので有名でな。
正妃も作らずに後宮のおなごをはべらしているらしい。
そんなローズリートの最近のお気に入りがセリーナだ。

まぁ、恨むとしたら、同じ惻妃の誰かだとは思うが…」

ガイコツ王子は言う。

「チョコレートを持ってきたのは誰なのですか?」

「それが、分からぬのよ。
誰に聞いても知らぬ、という。」

「うーーーん…」

「それにしても美味いな!
このチャーハンとやら!
不思議な香ばしい香りもする…」

「あぁ…ごま油で炒めたからでございましょう。
シャルナーク様、明日ローズリート様とお話したいのですが…」

「そ、それは…
ダメだ…」

「何故ですか?
私もシャルナーク様の事件解決にお力添えしたいのです!」

私は言う。

「ローズリートは…
兄弟の中でも最も美しいと評判だ…
それに手も早いし…

いや、俺はヤキモチを焼いている訳では決して無いぞ!!!」

ヤキモチか…

「流石に兄上の奥方には手を出さないのでは?
それに、私は別にそのような気は…」

私は言ってみる。

「うーん…
わかった、明日連れてくる…」

ガイコツ王子は仕方なくそう答えた。

♦︎♦︎♦︎

翌日、ガイコツ王子とローズリート様がお越しになった。

「こっちが、弟のローズリートだ。
ローズリート、俺の妃のエレナだ。」

「へぇ…
兄さんの嫁になるというから、すごい人を想像していましたが、お美しい方ですね。ニコッ
よろしくお見知りおきを。
ローズリートです。」

彼は優雅な仕草で私の手の甲に口づけた。
ガイコツ王子の眉間に皺がよる。

「どうぞ、ローズリート様、ソファに。
シャルナーク様も。

して、事件に進展はありましたか?」

私は2人がソファに座るのを見て尋ねた。

「あ、あぁ…
それが…
死体からは、毒物が発見されなかったのだ…」

ガイコツ王子が困り気味に言う。

「ふぅむ。
そうですか。

ローズリート様、セリーナ様について教えていただけませんか?」

「えぇ、教えると言っても僕も彼女をそこまで深く知っているかどうか…」

ローズリート様は紅茶を一口飲んだ。