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「それじゃあ、自己紹介を1番の青木くんからお願いします」

結果から言うと、私は瑠奈と同じクラスになれた。

すごく喜ばしいことなのだけれど、今は正直、お互いにそれどころじゃなかった。

今も残っている、あの手の感触。心臓の音──。

「──さん。桜間さん!」

「あ、はい!」

「自己紹介、桜間さんの番ですよ」


辺りを見渡すと、みんなが不思議そうにこちらを見ていた。


「あ、えと、桜間結依です。よろしくお願いします」

そう言って、頭をぺこりと下げたけれど、まだ数人の生徒は不思議そうな顔をしている。


まあ、無理もない。

そりゃあ、去年と苗字が変わっていたら、誰だって不思議に思うだろう。


今年に入ってすぐ、母が2度目の結婚をした。

相手の人も私の存在は知っているそうだけど、直接会うのは今日帰ってから。

──再婚相手の人、優しいといいな

我に返ったときにはもう、次の人が自己紹介をしていた。