「ファ、ファンなんです」

私の後ろから瑠奈がひょっこりと頭を出してそう言った。

「私も、この子も」


「そうなんだ。いつも応援ありがとう」

翔くんは私たちの目の前に1つずつ手を差し出した。

差し出された手をお互いにおずおずと握る。


「これからもよろしくね?」

「「は、はい」」

そう言うと、翔くんは誰かに呼ばれて行ってしまった。


「やばくない? これ」

瑠奈がゆっくりとこちらを見た。


「うん。私もう手洗えないかも」


まだ、胸がドクドクしている。


──私の学校生活、どうなっちゃうんだろう

どこか他人事のようにそう思ったのは、はっきりと覚えている。