美しい、王子様と目があった——
あまりに恐ろしいその笑顔に、慌てて顔を晒す。
隣でメロメロになっている桃ちゃんに、騒ぎだす女の子たち。
そんな女子生徒たちの勢いにやられてしまい、その場に尻餅をついてしまった私。
目の前に、手が差し伸べられる。
「あ……」
相手は、一番今助けて欲しくない相手——王子様だった。
その手を退くことすら許されないと悟った私は、大人しく手に触れさせてもらう。
引かれて、起き上がるとまた王子様と視線が交わってしまった。
「大丈夫?怪我はない?」
キラキラした笑顔が、私の瞳に映り込む。
「は、はい、ありがとうございます」
「それはよかったよ」
それだけ言って、去っていった王子様。ドクリと心臓が嫌な音を立てる。
その無感情な瞳が私のことを見つめてきて、不気味さすら感じた。
手をはなして私は急いで廊下を走っていく。
「ちょ!美来!!」
桃ちゃんに呼び止められるも、今はそれどころじゃなくて無視して走り続ける。
ある程度王子と距離ができたところで息を切らしながら、壁にもたれかかった。
「もう!は、はやいよ……」
「あっ、ごめん桃ちゃん!」
どうやら後を追ってきてくれたらしい桃ちゃんに罪悪感を感じながら、共に購買に行くことになった。
あまりに恐ろしいその笑顔に、慌てて顔を晒す。
隣でメロメロになっている桃ちゃんに、騒ぎだす女の子たち。
そんな女子生徒たちの勢いにやられてしまい、その場に尻餅をついてしまった私。
目の前に、手が差し伸べられる。
「あ……」
相手は、一番今助けて欲しくない相手——王子様だった。
その手を退くことすら許されないと悟った私は、大人しく手に触れさせてもらう。
引かれて、起き上がるとまた王子様と視線が交わってしまった。
「大丈夫?怪我はない?」
キラキラした笑顔が、私の瞳に映り込む。
「は、はい、ありがとうございます」
「それはよかったよ」
それだけ言って、去っていった王子様。ドクリと心臓が嫌な音を立てる。
その無感情な瞳が私のことを見つめてきて、不気味さすら感じた。
手をはなして私は急いで廊下を走っていく。
「ちょ!美来!!」
桃ちゃんに呼び止められるも、今はそれどころじゃなくて無視して走り続ける。
ある程度王子と距離ができたところで息を切らしながら、壁にもたれかかった。
「もう!は、はやいよ……」
「あっ、ごめん桃ちゃん!」
どうやら後を追ってきてくれたらしい桃ちゃんに罪悪感を感じながら、共に購買に行くことになった。