仁美が私の耳元で囁く。

「いい人じゃん・・・。」

うん。

私は頷いて、仁美の目に合図した。

友情の暗黙の了解。

それは、仁美のおかげだよ。


「じゃあ、また!」


飯島君は駅まで送ってくれた。

そして、コートから手を出して、


「握手だよ・・・。」


「クスっ!」


「照れるし・・・。」


私たちは笑って、握手した。


飯島君の手は、温かった。