「口もっとゆるめて」

「ふっ......ぅ」


「ん......そう。もっと」


触れるだけのキスだったのが、さらに深くなっていく。


唇をわずかに動かして、うまく誘い込んで......唇を吸われるたびに、音が耳元に響いてくる。



「はっ......キスってこんなきもちよかったっけ」


ついばむようなキスが繰り返される。


息をする隙も与えてもらえなくて、ただ酸素だけがどんどん奪われていく。


ただでさえ、熱でぼうっとして、いつもの自分じゃないのに。


こんな甘いキスされたら、冷静な思考なんかどこかいっちゃう。