放課後、ひなたが一人で帰ろうとしていると、向こうから来た奏に呼び止められた。



「西井さん」

「あ、奏くん」

「ケータイ電話、確認した?」



 今日になって2回目に言われたその言葉。
 ひなたは頭を抱えて奏を見返した。



「……どうして友達リストまで消すの?。」

「西井さんには、できれば友達を作って欲しくないんだ。」



 奏は事もなげに言った。


「名札ももちろん僕の。上履きにも僕の名前書いて。君の前には僕だけしかいなくなって、ピースフル、2人きり。言っとくけど戻してもまた消すからね。」


 青空の下、奏はにっこり笑って、少女漫画のヒーローさながらに宣言した。


「僕の籍に入るまでは厳戒態勢だから。返事は?。」











おわり