放課後。

 ひなたが帰り支度をしていると、冴がやってきた。



「先生が呼んでたよ。図書資料室まで来なさいだって。」

「分かった」

 

 ひなたが言うと、冴はなぜか、


「感謝しなね」


と言った。



 廊下を通って、ひなたは図書資料室のドアを開けた。

 すると同時に、突然手首を掴まれてひなたは驚いた。

 ひなたを壁際に押し付けて、奏が居た。

 ひなたは呆気に取られて、思わずまじまじと奏を見た。