―もっと、刺激的な恋を。―

「俺のこと好きなんじゃないの？」

　
「好きだけど…なんか違うの！」


「はいはい、もういいから。素直になれって」


「だか…っ？！」

　言葉を遮るように私の唇に彼の唇が触れる。
　
　2秒…5秒…その長さに私は慌てて唇を離そうとする。

　それに気づいた彼は私の腰に手を回し固定されてしまった。

　彼は私を強く抱きしめる。あまりの強さに少しドキッとしてしまう。

　10秒…おそらくそれくらいは経っただろう。流石に満足したのか彼は唇を離し30センチ下にある私の顔を見下ろす。

「お前のクラスメイトが羨ましい」

「…なんで」

「少なくとも5日間はお前のこと見てられるし、お前と話すこともできる。」

「まぁ、身近にいれば当たり前だよね」

「むかつく」

「なぜ？！」

「お前のクラスメイトだけじゃなくて教師も、お前が使う箸も、教科書も、スマホも、服も、お前に触れるもの、お前を見るもの、全部むかつく。」

「えーっと、悪口？」

「そうだよ！お前以外の存在への悪口だよ！ほんっと大好きすぎて嫌になるわ！」

彼はいつになく笑顔で言うものだから、私はどう反応していいのかわからなかった。でも、こんな私でも一つ気づけたことがある。


　彼は私のことが大好きすぎて　
キュートアグレッションを起こしていたらしい。