「今年の鑑賞教室は何かな?」
「はわ〜っ、わくわくする〜!」
「えーっと、暗闇演劇団だって」
 とある小学校の体育館に、子供達の楽しそうな声が広がる。これから鑑賞教室が始まるようだ。
「まもなく始まります。みなさん静かにしましょう」
 そして、体育館が暗くなった。ステージの幕が開いた。
「――私は無実です!何も悪くありません!」
「いや、あなたには消えてもらう」
 子供達は、ハラハラしながらステージを見つめる。
 そして、舞台にいる鬼役の人は姫役に向かって……。

 ――きゃああああああああああああああっ……!

 子供達の悲鳴が聞こえる。

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「今年の鑑賞教室も不評でしたね」
「やっぱり子供には向いてないか」
「いや、俺たちはちゃんと注文通りにやったはずだ。それに金も入るじゃねえか」
 その場にいた者たちが、その男をキッと睨む。
 ここは、暗闇演劇団。この劇団が劇を演じると、人が必ず一人殺される。そのため、思わぬ人を傷つけることを防ぐため、劇団では劇が始まる前にくじ引きをし、当たった人を劇中で殺すのだ。
「最近女ばっかり死んでるよな」
「まあな、今回は姫役が友梨佳さんで良かったな」
「それな〜。あいつホント感じ悪かったからな」
「姫花さんには死んでほしくないな!」
 姫花は美しいことで有名で、とても人気がある女の人だ。

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 ある日、演劇団にメールが届いた。