「今は、向こうの駅の近くに住んでいます」
彼女が指さす方向は、私が来た方向だった。
「へー私の会社もあっちだよ、やっぱりお嬢様なんだ」
会社の方に住む人は、お金持ちが多く住む街なので、冗談も交えての言葉だった。
微笑む彼女が見れると、私も何だか嬉しくなってしまう。
「でね、私が住んでいるのはこっち、こっちの暗黒街」
彼女が指さす方角と、逆の方向を指さすと、彼女は笑って答えている。
「クスクスッ、京子さんって面白いですね」
その笑い声に嬉しくなると、自然に私の表情も緩んでいた。
「いやー、そうでもないよー」
わざとらしく答えてみたが、面白いことは自負していた。
だってこんな綺麗な女性が暗黒街って、口に出すんだもん。
うふっふっふっ。やだー暗黒街だって面白い……
あれ、でも何で名前知っているのかしら、まだ自己紹介もしていないのに。
不思議に思うと、眉をゆがめ首をかしげてしまう。
親戚には彼女ぐらいの年齢の子はいないし、友達の子供さんだと年齢的に合わないはず。
見つめる先の彼女は、意を決したかのように話した。
「アートデザイナーの霞京子さんですよね」
彼女の言葉を聞き、私のことは昔の雑誌などで知ったものだと推測し、楽天的に考えた。
「あら、よく知っているわね、一応デザイナーです。よろしく」
彼女と握手をするため手を差し出すと、彼女は優しく私の手を両手で包み込んだ。
「……草山茜(クサヤマアカネ)です。お会い出来て嬉しいです」
彼女が指さす方向は、私が来た方向だった。
「へー私の会社もあっちだよ、やっぱりお嬢様なんだ」
会社の方に住む人は、お金持ちが多く住む街なので、冗談も交えての言葉だった。
微笑む彼女が見れると、私も何だか嬉しくなってしまう。
「でね、私が住んでいるのはこっち、こっちの暗黒街」
彼女が指さす方角と、逆の方向を指さすと、彼女は笑って答えている。
「クスクスッ、京子さんって面白いですね」
その笑い声に嬉しくなると、自然に私の表情も緩んでいた。
「いやー、そうでもないよー」
わざとらしく答えてみたが、面白いことは自負していた。
だってこんな綺麗な女性が暗黒街って、口に出すんだもん。
うふっふっふっ。やだー暗黒街だって面白い……
あれ、でも何で名前知っているのかしら、まだ自己紹介もしていないのに。
不思議に思うと、眉をゆがめ首をかしげてしまう。
親戚には彼女ぐらいの年齢の子はいないし、友達の子供さんだと年齢的に合わないはず。
見つめる先の彼女は、意を決したかのように話した。
「アートデザイナーの霞京子さんですよね」
彼女の言葉を聞き、私のことは昔の雑誌などで知ったものだと推測し、楽天的に考えた。
「あら、よく知っているわね、一応デザイナーです。よろしく」
彼女と握手をするため手を差し出すと、彼女は優しく私の手を両手で包み込んだ。
「……草山茜(クサヤマアカネ)です。お会い出来て嬉しいです」