綺麗で高価な花だけを大事にし、みすぼらしい植物は見捨てるようで、自分でも醜く感じたのだろうか。
でも、わざわざ拾い上げるのも、建前だけの偽善者のようでそれも嫌だった。
そんな格闘の中、私は持ち帰るにも袋が無いし、ここに植えるのにもスコップも無い。そんなことを理由に、その場を離れることを正当化した。
歩き出してからも自分をかばうように、理由を探している。
下手に触ってバイ菌が付いても嫌よね、犬のおしっこもあの辺にしてあるかもしれない。
それに私、荷物で手がふさがっているのよ。雨でせっかくのお花がしおれ出しちゃっているわ可哀そうよ。
あの植物には悪いけが、私だって今大変なのよ、悩みはいっぱいなの。
仕事だって正のことだって、解決しなきゃいけないことが沢山あるのよ。
後戻りして修復出来るなら、やり直したい気分なのよ。
後戻り出来るならね。
私は自分にそう言い聞かせながら歩いていた。
そんな考えからだろうか、数十メートルも歩いたところで足を止めると、ふてくされながらもベンチの場所に戻ってしまう。
降り続く雨の中、呆れるように見つめる目線の先には、投げ出された植物は更に惨めに映っていた。
「もうーしょうがないなー」
だれも居ないことを確認すると、汚いものを触るような気持ちで植物を救いあげた。
手の中では、横たわる植物が、何かを語るように映りこむ。
ありがとうとでも、行っているのかしら?
私は都合良く解釈すると、満更でもない気持ちになっていた。
無意識に、顔を濡らす雨を汗のように拭おうとすると、手に持つ植物の泥に気づき、ちゅうちょしていた。
冷静になり、そんな行動をさせた先ほどの彼女を思い出すと、自身に呆れながら、文句をつぶやいていた。
「もうやだー、本当に最悪」
うなだれながらその場から歩き出すと、今度は遠くの方で、ヒュー。ヒュー。っと風の音が聞こえ始めた。
「今度は風? 勘弁してよ。雨位止めばいいのに、買ったお花も可哀想でしょ」
悪態をつき帰路を急ぐ私の元に、それまでと違った大きな風の音が突然聞こえ始めた。
びゅーーーーう
でも、わざわざ拾い上げるのも、建前だけの偽善者のようでそれも嫌だった。
そんな格闘の中、私は持ち帰るにも袋が無いし、ここに植えるのにもスコップも無い。そんなことを理由に、その場を離れることを正当化した。
歩き出してからも自分をかばうように、理由を探している。
下手に触ってバイ菌が付いても嫌よね、犬のおしっこもあの辺にしてあるかもしれない。
それに私、荷物で手がふさがっているのよ。雨でせっかくのお花がしおれ出しちゃっているわ可哀そうよ。
あの植物には悪いけが、私だって今大変なのよ、悩みはいっぱいなの。
仕事だって正のことだって、解決しなきゃいけないことが沢山あるのよ。
後戻りして修復出来るなら、やり直したい気分なのよ。
後戻り出来るならね。
私は自分にそう言い聞かせながら歩いていた。
そんな考えからだろうか、数十メートルも歩いたところで足を止めると、ふてくされながらもベンチの場所に戻ってしまう。
降り続く雨の中、呆れるように見つめる目線の先には、投げ出された植物は更に惨めに映っていた。
「もうーしょうがないなー」
だれも居ないことを確認すると、汚いものを触るような気持ちで植物を救いあげた。
手の中では、横たわる植物が、何かを語るように映りこむ。
ありがとうとでも、行っているのかしら?
私は都合良く解釈すると、満更でもない気持ちになっていた。
無意識に、顔を濡らす雨を汗のように拭おうとすると、手に持つ植物の泥に気づき、ちゅうちょしていた。
冷静になり、そんな行動をさせた先ほどの彼女を思い出すと、自身に呆れながら、文句をつぶやいていた。
「もうやだー、本当に最悪」
うなだれながらその場から歩き出すと、今度は遠くの方で、ヒュー。ヒュー。っと風の音が聞こえ始めた。
「今度は風? 勘弁してよ。雨位止めばいいのに、買ったお花も可哀想でしょ」
悪態をつき帰路を急ぐ私の元に、それまでと違った大きな風の音が突然聞こえ始めた。
びゅーーーーう