この嫌がらせが始まってから、土日祝日以外は毎日行われていた。

警察署に相談にも行ったが、犯人が分からない以上、注意も出来ないし、それくらいで動くことが出来ないと言われた。

「それくらいって!そんな言い方、、、!!!」
と響希は警察の人に怒ってくれようとしたが、わたしは響希を止めた。

警察署に行った帰りは「何の為の警察だよ!市民を守ってくれるのが、仕事じゃないのか?!」と響希はかなりご立腹で、わたしはそんな響希を見て笑ってしまった。

すると、響希は笑うわたしを不思議に思ったのか「な、なんだよ。」と言った。

「いや、ごめん。そんなに怒ってる響希を見たの、初めてだったから。」
わたしはそう言って、クスクスと笑った。

「だって、腹立つじゃん!こっちは嫌がらせを受けて困ってるのに、何も出来ないなんて、、、。」
「、、、ありがとね。」

わたしの言葉に「えっ?」と驚く響希。

「わたしの為に怒ってくれてるんだよね?ありがとう。響希が味方で居てくれてるんだもん。わたしは、大丈夫だよ?」

わたしがそう言うと、響希は恥ずかしそうに急に大人しくなり、そして「大事な幼馴染が困ってるんだから、、、当たり前だろっ。」と言ってくれたのだ。

石ころを蹴りながら、わたしの前を歩く響希の後ろ姿に、わたしはもう一度響希に聞こえないように「ありがとう。」と言ったのだった。