総合受付から呼ばれ、会計を済ませると、処方箋をもらった。
そして、院内にある薬局で薬をもらうと、わたしは正面玄関から病院を出た。

すると、端の方に響希の車を見つけ、わたしは駆け寄って行くと、助手席の窓から車内を覗いてみた。

そこには、眠たそうな響希が居て、わたしに気付くとパッと表情が変わり、微笑んだ。

わたしがドアを開け助手席に乗ると、響希は「お疲れ様!」と言ってくれた。

「待たせてごめんね。疲れたでしょ?」
「平気だよ。さっきまで漫喫で漫画読んでた!」

響希の言葉にわたしは「やっぱりね。」と言葉が漏れる。

「響希の部屋、漫画だらけだったもんね!」
「高校のときは、サッカーか漫画だったからな!さて、行きますか!何食べたい?」
「んー、パスタかな?」
「よし、じゃあパスタ食いに行こう!」

そう言って車を出す響希。

何だかデートみたい、とドキドキするわたしは、手が汗でいっぱいだった。
尋常じゃない汗にハンカチを握り締める。

しかし、響希は何も言ってこない。
わたしの症状を理解し、そこに触れないでいてくれるのは、響希の優しさだった。