次の日の朝、目が覚めると不思議なことに、夢の中で手を繋いだときの感触が残っていたのだ。

自分の手のひらを見つめるわたし。
手汗は相変わらずで、わたしはティッシュで手を拭いた。

多汗症は、寝ているときは不思議と汗をかかないのだが、寝起きと共になぜか汗が出てくる。

こんなに何で汗が出てくるんだろう。
これが無ければわたしだって、、、

そう思いながら、わたしは手を繋いだときの感覚が残ったまま、仕事へ行く支度をし、出勤するのだった。


その日の夜。
シャワーから上がってくると、スマホが光り通知を知らせていた。

わたしはドライヤーで髪を乾かし、オイルを塗って落ち着いてから、スマホを手に取った。

通知はLINEで新着1件を知らせていた。
LINEは、響希からだった。

{ 次の日の土曜日、予定ある?)

わたしは次の日の土曜日は、病院に行こうと思っていた。
多汗症の治療に使われている塗り薬が無くなってしまいそうになっていたからだ。

( 病院に行く予定だよ。}

すると、少しあとに響希から返信がきた。

{ 病院まで送ろうか?)
( いいの?}
{ いいよ!何時から?)
( 10時に予約入れてる。}
{ じゃあ、そのあと昼飯行かない? }
( いいけど、総合病院だから待ち時間長いと思うよ? }
{ どこかで時間潰してるから大丈夫!待つことには、慣れてるんで(笑) )

そんな響希のランチのお誘いから、わたしたちは土曜日の病院あとにランチに行くことになった。
その日を楽しみに待っている自分がいた。