響希はそのあと「急に来て悪かったな。茜のことも、申し訳ない。」と頭を下げ、「じゃあっ!」と手を振り帰って行った。

大丈夫かなぁ、響希、、、

茜さんの話を聞き、予想していたよりも響希が苦労していることに、わたしは心配になった。

しかし、わたしには何もしてあげることが出来ない。
わたしが口を挟むことで悪化すること、響希に迷惑をかけてしまうのが目に見えていたからだ。

わたしはベッドに腰を掛けると、さっきまで響希の膝の上に座っていたウサギのぬいぐるみを手に取った。

何も出来ない自分がもどかしい。

わたしはその日、そのことばかり考えていて、夜もなかなか寝付くことが出来なかった。