オカマ口調だとは言え、見た目は男な訳で。恐怖心はある。
「あら、あんた……」
「さっきからゴチャゴチャうるせーんだよ、おっさん！さっさとこいつの髪切れや！」
この人が何か言い掛けたところで灰色があたしの後ろから怒鳴りつけていま。
「んもぉ！せっかちなんだから…。でもそんなとこも好きよ！」
「気色わりぃ！その見た目で投げキッスとかしてんじゃねぇぞ！吐くわ！」
投げキッスはあたしに向けられたモノではないのに、あたしまで身体を震わせるものだった。
灰色に至っては自分を抱き締めるようにしてガタガタと震えていた。
「まじ怖い。なんなのあいつ。だから此処に来んのやだったんだよ…。マオに任せれば良かった……」
ブツブツと独り言を言う灰色に、この人に相当な恐怖を抱いてる事が分かる。灰色に何をしたんだろう。
それより金色に任せれば良かったっていうけれど。確かに金色はフェミニストだから、この人にも優しいかも知れないけど。
金色の女の子への優しさは、オカマ口調の人にも有効なのだろうか？
