ガラッと音を立てて開かれた保健室の扉。あたしを抱きかかえたまま扉を開ける灰色は器用だと思う。



「おー、どうしたコータ。またサボ…り、じゃねぇな」



保健室に入ればやる気の無さそうな保健医が灰色に話し掛ける。


近付いて来る"男"にカタカタと震える身体。思わず灰色の服を掴む。


すると背中がポンポンと軽く叩かれる。まるで大丈夫と言われてるみたいで。


矛盾してるけど、龍神の人達は他の人に比べれば平気な方。



「近寄んないでもらえますか」



あたしと保健医を遠ざけるように、離れたベットにあたしを降ろしてくれる灰色。



「そいつ瑠依の妹か」

「そうっす」



そういえば灰色は保健医に敬語だ。兄の事も知ってるようだし。もしかするとこの人も龍神の人なのだろうか。