「煩いな」
俺は女の子に基本的に優しいけど。今回ばかりは怒ってるから。
「後はよろしくね、2人共」
幸人と雅之に声を掛けて保健室に向かう。
授業中の校舎は静まり返っていて。俺の足音だけが廊下に響く。
「──!」
保健室が見えてきた頃、なにかを叫ぶ声が微かに聞こえてくる。
何事だと慌てて保健室へと駆け出す。ガラッと音を立てて勢い良く開いた保健室の扉の先で。
「ふざけないで…!」
連絡を受けてだろうか?いつの間にか来ていた俺達の先代に怒鳴る彼女の姿。
彼女の後ろに居るコータも、連絡を受けて保健室に来ていたタカもタツも驚いている。
彼女がこんなにも感情を表した所なんて、3ヶ月も一緒に居て初めて見た。
「ふざけないでよ!彼等に謝ってよ!」
泣き叫ぶような声に胸が苦しくなった。