「ほら、拗ねてないで彼女を保健室に運んで」

「ぇ、」


あたしを保健室に運ぶよう指示する金色に、驚きで声が漏れる。


その声もまだ、情けなく震えていた。



「俺が連れて行ってもいいんだけど、彼女は俺じゃない方が良いだろうから」



困ったように笑う金色の視線は、震えるあたしの身体。


そと視線はさから逃れようと灰色の身体を押して降りようと試みるも、


「暴れんな」


上から睨み下ろされて諦める。


心の中で、大丈夫と復唱する。灰色は違う、って。



「俺は、あの醜い女の子達を"処分"して、保健室に向かうから」



ちゃんとタカ達に連絡してねと最後に釘を差す金色。


「へーへー」


面倒臭そうに返事を返した灰色は、保健室に向かうのか歩き出してしまう。