「い、いけど」
吃りながらも返事をしてくれる彼に安堵する。その事に安心したあたしは、目を閉じて彼から逃げる。
これ以上話し掛けないで、と。
そしてそのまま心の中で願う。
誰にも迷惑を掛けずに、誰にも嫌な思いをさせずに生きたいなって。
例えば、地面に生えてる雑草みたいな存在だとか。空気だったら、存在を気にする人が居るかもしれないから。
だからそこら辺に生えてる、誰の邪魔もしなくて、誰の迷惑にもならない雑草。
それだけでいい。
誰の迷惑にもならないそんな存在。そうなりたいと願う。
ほんとは生きる事すらも諦めたい。消えたいと願う。
そんなあたしの小さな、小さな願い。
どうか叶えてくれるならなんだってするのに。