お昼休みの気まずい空気からは逃げ出せても放課後の倉庫からは逃げ出せない。
いつも通り高級車に揺られて辿り着いた倉庫。楽しそうな光景にあたしが混ざればとても残念なものになってしまう。
身体を庇う様にゆっくりといつもの場所へと腰掛ける。
「ふ、ぅ」
息を吐き出せば痛みで強張る身体。明日いつも通り動ければ良いんだけど。でもきっと今日より酷い、彼女達からの暴力が待っているだろうから。
"あの時"より辛い事なんてない。だけど、理不尽な暴力だって辛い事で。
「やだ、なぁ」
楽しそうな声の響く倉庫にあたしの本音が紛れ込む。