「は?」
「なんでもないです」
あたしの言葉に眉間にシワを寄せる灰色から逃げるように歩きだした。
「意味、分かんねぇ」
後ろから灰色の声が聞こえたけれど、聞こえないフリをして溜まり場へ急いだ。
「遅かったね」
やっと、溜まり場へ着けば何かを用意していた金色が声を掛けてきた。
「こいつがいつもよりトロかったんだよ」
いつも通りあたしを嫌う声で説明をして灰色がソファに向かう。
「そうなんだ」
金色は困ったように笑ってあたしを見た。基本的にフェミニストな金色は、あたしの事が嫌いでもあまり酷い扱いはしてこない。
「お昼食べようか」
ソファに誘導してくれる金色の手から逃げるように、灰色の隣に座る。
「おい、」
ふと銀色があたしを見ながら声を出した。なにかあたしに用、だろうか。