「いいから、コータもタカも歩きなよ」


そんな2人に透き通るような金色が声をかける。


「へーへー」



"コータ"

つまり灰色が面倒臭そうに返事をして歩き出すと、銀色も舌打ちをして歩き出す。



「ほら、君も」


金色があたしにも声を掛ける。


すると。


「マオもそんな女に構ってないで、行こう!」



オレンジ色が"マオ"…金色の腕を引っ張る。



「分かったから、引っ張らないでよタツ」



オレンジ色は"タツ"で、あたしを鋭く睨み付けてる。



「君も早く歩いて」



スッ、とあたしに手を伸ばしてきた金色をスルリと避ける。



「分かってる」



これはあたしの作ってる壁。

触れられない、その一線を越えられるときっとダメ。



「相変わらずだね君は」



そんなあたしを見て呆れて冷たい目を向ける金色。



仕方無いじゃない。
好きでこんな所に居るわけでもない。



むしろ、この人達はあたしの"大嫌い"な部類の人間なのだから。


ゆっくりと校舎の中へと歩き出す。



「なんであの女が、"龍神"の"姫"なの………!」



誰かの怒りに満ちた声が、校舎の中へと入る直前耳に入る。