「それにしてもこの子の食への執着が無さ過ぎて怖いよ」
金色の少年が少女の残したカロリースティクを見て呟く。
「こんな女気にする事ないんじゃない?」
オレンジ色の少年は嫌悪感を隠すことなくそう呟く。
「まぁ、そうなんだけど」
「まぁーそーだな」
「あぁ」
口々にオレンジ色の少年の言葉を肯定する少年達。
しかし、肯定する言葉とは裏腹にそれぞれ胸の中では少女を気に掛けていた。
誰もが欲しがる姫という立場になったというのに嬉しがるどころか、披露目の当日まで嫌がっていたらしい少女。
そんな少女を幹部も他のメンバーも嫌遠していた。
けれど、それを嫌がる訳でも悲しむわけでも、怒るわけでもなくただ自分たちと距離を置く少女。
銀色の少年はこの少女を何故自分達が尊敬する人がわざわざ姫に指定してきたのだろうか、と。
灰色の少年はこの少女はどうしてこうも距離を取ろうとするのだろうか、と。
金色の少年はこの少女はもしかして"───"なのではないか、と考える。
オレンジ色の少年はこの少女はどうしていつも泣きそうに見えるのだろうか、と。
少年たちは嫌いな少女について考える。
少女は疲れて少し休息という名の睡眠を。