それを紛らわせる様に自分の連れて行かれる場所を考える。


ベタに体育館裏なのだろうか?

それとも別の場所なんて考えてるうちにパンダの子の足が止まる。


連れて来られたのは校舎裏で滅多に人の通らない此処は、まぁこの人達には好都合な場所なのだろう。


そんな事をかんがえていれば、力強く肩を押されて壁に身体が打ち付けられる。

あまりにも強い衝撃に一瞬息が詰まる。


「あんたさぁ、なんなの?」


リーダーパンダのその声と表情が"気に食わない"と訴えている。



「龍神の皆様に縋り付いて」
「うざったいのよ!」
「ブスのくせに調子乗らないでよ!」
「ほんと迷惑!」
「龍神の皆様だって、あんたの存在が迷惑って思ってるわよ!」



次々に浴びせられる言葉に何も言い返すことはない。だって当たってるから。



でもひとつだけ違う。


「別に縋り付いてない」



これだけは違う。

あたしはあたしの意志であそこに居る訳ではないから。